2008年秋、やまとマクロスシリーズはさらに新たな展開を迎えます。
「デストロイド・シリーズ」―――――――マクロスシリーズの世界観を支えるもう一つのオーバーテクノロジー兵器。
変形しない、登場場面が少ない…そんな理由で、この無骨な機能美に溢れた陸戦兵器たちを単なる「脇役」に追いやっていませんか?また、我々“やまと”が単なる「品揃え」の目的だけでこのシリーズを立体化するとお思いでしょうか?
答えはもちろん、“否”です。
これから始まる「デストロイド・シリーズ」は、8年の時を経て第3世代まで進化を遂げた「バトロイド・シリーズ」と肩を並べるクォリティを目指した、やまとマクロスシリーズの新境地なのです。

やまとマクロスシリーズといえば、「VF-1バルキリー」に代表される完全変形バトロイドがその代名詞となっていますが、過去にも世界観を広げる他機種がリリースされています。

1/60 クァドラン・ロー ミリア機

1/60 クァドラン・ロー マックス機
「バトロイド」に対するカウンターパートとしてリリースされた、メルトランディの戦闘スーツ「クァドラン・ロー」は、マックス機とミリア機の2種がリリースされました。スケールはバトロイド第一世代に合わせた1/60サイズ。この時すでに「同スケールでマクロスシリーズの世界観を広げていく」という“やまと”の基本姿勢は確立していたのです。

1/100 完全変形ケーニッヒ・モンスター
当時立体化要望の最も多かった「ケーニッヒ・モンスター」も、“やまと”は完全変形でリリースしています。飛行形態は「ファイター・モード」ではなく「シャトル・モード」、人型形態は「バトロイド・モード」ではなく「デストロイド・モード」。
巨大な機体のためさすがに1/60での立体化はかないませんでしたが、マクロスシリーズの世界観を広げるのに大きく貢献したアイテムです。

やまとマクロスシリーズ対応ディスプレイスタンド
やまとマクロスシリーズの隠れたベストセラーであるこのスタンドも、実は世界観を支える重要なアイテムのひとつです。
そのデザインはアームド1のドッキングアームを模しており、スーパーバルキリー、ストライクバルキリーを飾る際にはこれ以上ないマッチングです。
もちろんスタンドとしての機能も充実しており、シリーズの各アイテムに対応したものとなっています。
今回のデストロイドシリーズは、これらのアイテムが目指した「世界観の拡張」をさらに一歩進め、その企画段階からバトロイドの持つ「変形」とはまったく異なる価値=「機能美の造形を追求する」という新たなハイエンドモデルを目指したものとなっているのです。

ディテールを入れる前に基本形状を解析するための参考原型。形状把握が目的なのでもちろん全身は作っていません。
ご存知の通り、デストロイドシリーズは設定上バトロイドシリーズよりも前に開発が始められた、非変形の陸戦兵器シリーズです。
そう、バトロイドシリーズが「空軍の装備」であるのに対してデストロイドシリーズは「陸軍の装備」ということができるわけです。
戦車や装甲車、より身近な存在で語るならば重機のような存在感を、余すところなく1/60に凝縮する…それこそが“やまとデストロイドシリーズ”のアイデンティティであると考えた我々はまず、当時の設定画を立体的に検証し手作業で図面を起こすところから始めましたが、2次元の矛盾を破綻なく置き換えるために、また「実在したら」という各部の形状表現を確認するために別途手作業の参考原型を作る必要もありました。

2次元の矛盾を解決しつつ「当時の設定画が伝えたかったであろう形状」に近づけるため、一見すると平坦に見えるパーツの複雑な面構成をひとつひとつ解析していきました。

この「デストロイド」というメカは真正面から取り組むと膨大なアンダーカット(金型から抜けないため成型不可能な角度の面やディテール)に悩まされるのですが、「造形の追及」という当初の課題を念頭に、まずは手書き図面と参考原型からギミックや分割を仕込まない外観形状を追いかけることに専念しました。
初めから製品化を意識した作りを念頭に置くことは量産品のモノづくりとして重要なことではありますが、反面作り方の幅を縮めるという諸刃の剣にもなりかねません。
今回はその後に続く苦難を承知の上で、敢えて後工程を必要以上に意識しない進め方を選択したのです。(もちろん全く無視したわけではありませんが…)

最低限想定される分割のみで進めた外観CAD設計。この段階だけで2ヶ月以上の時間をかけて細かい修正を繰り返しています。