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モデラー野本憲一氏が振り返る「ウド編」

やまと1/12ボトムズシリーズで、野本氏に原型担当として参加してもらっている意味。
設計&開発の打合せ段階で様々な面から検討がなされる過程において、工業的な設計だけでは表現できない「味付け」を加えることも重要です。
プロポーションは勿論のことギミック・ディテールにこだわったやまとにとっても、野本氏の参加は必然だったといえるでしょう。
「1/12ブルーティッシュドッグ」発売によってひとつのヤマ場を越えたやまと1/12ボトムズジリーズを、「原型担当:野本氏」の視点から振り返る形でお話を聞きました。

「ウド編」を振り返る〜込められた思い

パープルベアー ブルーティッシュドッグ
ベア、ブルーティッシュを交えての集合写真。ここまで勢ぞろいのショットも意外と珍しい!?

――さて、とりあえずここまで「ウド編」に関しては結構補完されてきた感がありますけど、「ここまでたどり着いた」というところで野本さん的にはいかがですか?もっとバリエーション展開したかったとか?

んー…いやでも1/12っていうスケールを考えると、時間はかかったけど確実に出せたなぁと、そんな感じはありますよね。そんな一気にバンバン出せるものじゃないんだけど、着実に揃ってきたかなっていうところです。
あと、本体に関しても最初のスコープドッグを出して、その後いわゆる「Ver2」と呼ばれてる足首を直したものとか、直せるところに関しては修正を加えながらやってるんで、そいうところも徐々により良くして行きたいかな。

――今後ますますいい方向に行けるといいですよね。

なかなか見えないところでね、良くなっていたり。
実際ストロングバックスの顔も以前より少し良くなって。コレが一番カッコいいんでね。

――ハンサムですよね。
これでガードを取った感じが…


ストロングバックス
ガードを取った状態のバックス君のカオ。
各モールドがノーマルよりもシャープになっただけでなく実は…

ガードを取ったのも一番カッコイイ。ノーマルのバイザー付けたかったんだけどね。
アイディアは出してみたんだけど、やまとさんが「…それはやめときましょう」って(笑)。
まぁいずれにしろこれで顔に関してはOKかな、と思ったんで。
形状的には気になるところはだいぶなくなりましたね。


ストロングバックスでシャープになったモールド
バックスでモールドがよりシャープになりました!地道に進化させているのです。

今後も、その時々に出来ることはやって良くしていこうというのはあるんで。
バックスのときの話で、脚部スネ側面にパネルラインとリベットの跡みたいなのがあるんですけど、ノーマルのときはこれがちょっと浅かったじゃないですか。これ本当は意図があってやってたんですけど指示が甘くて浅くなっちゃったんです。それをバックスできっちり再現できたんで、これをまた次のときにきちんとフィードバックさせて、良くなっていけばといいかなと。
そのリベット穴って、スネカバーを外したときの内部ディテールの穴に繋がってるんですよ。


ディティール
隠れたディテール表現その1!
赤丸の部分と黄丸の部分がそれぞれ対応しているのです!
あとの2箇所は後ろ側(写真だと死角)にあります。商品持ってる人はチェック!

この6箇所全部。こういうのって、言わないとわかんないじゃないですか
でもたくさんいじってくれてる人だと、どこかで気づくと思うんですよ。
原型作るときにきっちり合うように作ってたんですけど最初の時に再現しきれなくて残念だったんで、バックスでスネカバー作り直す時には「今度はきっちり入れようね」と。
なんでここにこういうディテールがあるのかな、というのはそれなりに考えてやってます。

――これはちょっとしたマメ情報ですね。
なかなかこういうことを紹介する場がないのでこの機会に是非伝えたいですね。


隠れたディティール表現
隠れたディテール表現その2!
RSCなどのパーツが取り付いたときを想定したモールド配置。
実物があったら使ってそうな説得力のあるモールドに。

じゃあ、ついでだから…
コクピット内の側面部品の真ん中に円いモールド、ありますよね?これオリジナルのモールドなんですけど、この穴は外側のモールドに対応してるんですよ。
ここはオプションのウェポンをつけたときにピンで接続することになるかなと思って、その関係で設けたのです。実際には取り付けは別の方法になったので、機能してないですが。外装でいうとボディサイドのダクトの後ろあたりに並ぶモールドは、単にディテールとしてそこについているだけではなく、ターボカスタムでの武装マウント付きダクトを付けるときに都合がいいように配置してたんです。ダボやピンが必要になったときのために。
でも製品では設計の段階で別の方法を考案して、武装は脇の下のスリットに付けることになりましたけど。あ、これは次のレッドショルダーカスタムでわかります(笑)。

とまぁ、表面上のモールドについても「模様」ではなく、それなりに意味があって、何かを想定したものとして付けています。

――そういった解釈という意味でも立体物として決定版という部分は大きいですよね。


背中の内蔵メカ
設定と見比べない限り、オリジナルと言われても疑えませんね、このテイスト。

そうですね。
背中の内部メカのところでは一見設定どおりっぽいんですけど、実は設定とはかなり違ってるんですよね。内部のシートが入り込んでしまって、そのまま形の形を再現できないのでデザインを変えてるんですよ。
変えてるんですけど、もとの設定の特徴や、大河原メカっぽいデザインはひきついで、「いかにも」という風に作っています。
そこはぱっと見「ああ、大河原メカだな」と納得してもらえればこちらとしては成功で、変えなきゃいけない部分では元の設定の持っているテイストを守ってまとめています。
設定と見比べると「あれ、デザイン違ってるよ」てことにもなりますが、それまでは気づかれないのが理想。

―― 細かく見ていくと新たな発見があるんだよ、ということですね。

多分言われなきゃわかんない部分ですしね。
説明すると「あぁ、そうなんですか!」って(笑)。
あと、シートを外すと中に


シートを外した奥の方
シートを外した奥の方。
シートで隠れる処まで側面ディテールが入ってます。

―― 奥までモールド、入ってますよね。

あれもオリジナルなんで。あの辺は自分がやりたくてやったところですね。
こういうところがこいつの(1/12シリーズの)キモというか、やるべきところかなと。
あと、手のひらもオリジナルですね。
指は正直原型作るのが一番大変なんですよ。指は基準になる面があってそこから順々にっていう作り方が出来ないんで。
武器を持つ都合でこれまで作った1/24や1/35のモデルとは違ったバランスで作っています。

――これだけきっちりした手首パーツもなかなかないですけど、野本さんとしてはこのあと手首をさらに色々、という気持ちもありますか?
もうちょっと種類がほしい、というユーザーもいる様ですけど。

可動指を作ろうか、という意見もあったんですけどね。
ちょっと武器を保持するのがキツイかなって。
平手とかも、あってもあまり使わないかな?って(笑)。
まぁでも指はもうちょっとあったほうがいいのは確かですね。


ブルーティッシュドッグに付属の手首
ブルーティッシュドッグに付属の「銃を持つ左手首」。

――平手ってスコープドッグの場合イメージわきにくいですよね。
やっぱり拳が似合うっていうか。

優先順位としてはまずかっこいい「グー」を、というのが最初にありましたからね。
そういえば、ブルーティッシュドッグには片腕しか付かないんで、そのかわり左にも「銃を持つ手首」が付いてます。銃は付いてないけど(笑)。
つまり、銃を持てる左手首を今回起こしたわけだから、次にスコープドッグが出るときは左手でもちゃんと銃を持てるようになるかもしれない、と…。

――そのブルーティッシュドッグですが、野本さんから出来上がった商品を見ていかがですか。
「ココこうしたかった」とか。


ペッツを応用?したブルーティッシュドッグのマガジンコンテナ
ペッツを応用?したマガジンコンテナ。
ガトリングのマガジンが4本収納可能です。

いやあの、とりあえずペッツ(*キャンディーのディスペンサー)の機構が…これが再現できただけでも(笑)。
案外スルーされてますけど、ここのギミックはつまり「マガジンのマガジン」(笑)。
設計段階で頑張ったたところですけど、マガジンが背中のユニットからしっかり取り出せるという。TVでも使ってないのに、しっかりこれを再現したってのは大きいですよね。

――結構アピールポイントなんですけどね。
意外とどこでも触れてもらえない(笑)。
やまと商品としてはバックパック付の商品は初めてなんですよね。

1/12ではそうですよね。降着ギミックもバックパックを跳ね上げる構造で。
このギミック考えるのもね、毎回毎回苦労して。ザック系が出るたびに(笑)。
パラシュートザックに始まり…


スコープドッグ ラウンドムーバー装備
下側のバーニアアームがそのままの位置を保ったまま
降着できてしまいます。脱帽のアイディア。

――ラウンドムーバーはすばらしかったですよね。

まず「どこかにずらすしかないだろう」っていうのがあって、商品はナナメにせり上がってますよね。最初は一回持ち上げて、下のほうが開く感じで、というようなのがまず僕の方のアイディアであって、それを設計の段階で今のような形にまとめた、という感じかな?
降着での足やアーマーとの干渉もそうだけど、コクピットハッチを開けたときにどの程度まで開けるかとか、かなり詰めてやり取りしましたね。
結局、ザックのプロポーションを全く崩さずにできた、というのは大きかったな。スライドも違和感ない向きで。あれは上手いところに落とし処があってよかったなと。
ザックを取り付ける最低限必要なユニット部分てあるじゃないですか。そこ以外の部分をどう使うかなんですが、今のところなんとかなってますね。


スコープドッグ パラシュートザック
実際に遊んでみるとシュラフの処理が実にうまく出来ているんですよ。

パラシュートザックの中折れは僕のアイディアなんですけど、下半分跳ね上がるのってちょっと突飛じゃないですか。でもスケッチ描いたりしてみて、あそこから曲げて降着させるとすごくコンパクトで収まり良くなって。 で、なんかやってみたら意外とすんなり受け入れられたみたいであれはあれで良かったですよね。でもああいう形で処理するっていうのはあの時点ではかなり思い切ったことだとは思います。  

――メカニック的にもあまり違和感なかったですよね。

ただ後ろについてるシュラフ見たいなヤツ、。ベルトで付いてるやつね。
あれがちょっと邪魔で、ベルトのヒンジで妙に苦労しましたね。

――あと武器パーツで印象に残っているのは

 


9連ミサイル
9連ミサイルのジンバル部分。 設定にこだわりすぎず説得力のあるデザインを、という 考え方はここにも表れています。

9連ミサイルポッドは十分やったでしょ(笑)。
ベルトの付根の所は動かしたかったですけどね。
ミサイルの羽も開くし、ジンバルもつけて。ジンバルは設定にないんですけど、羽閉じてしまった時に中で収まりが悪いし、羽自体も押さえられなくなって引っかかっちゃうんで。じゃあだったらジンバルつけちゃえって。

――大きいから様になりますよね。

ボールペンだよね。9色入るボールペン(笑)。
あと先端から覗いたときって意外と中まで筒があるじゃないですか。それもなるべく中ががらんどうっぽくならないようにって、出来るだけ伸ばしてもらって。このパーツの縁から筒が伸びてるような。一枚板みたいな状態だとがらんどうになっちゃうんで。
そういうところは気を遣ってますね。見映えの部分というか。


 

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やまと ボトムズ通信1 (3/4)
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