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モデラー野本憲一氏直伝、ブルーティッシュドッグ簡単フィニッシュ

今回の取材の際、野本氏は大改造(?)だった「パープルベアー」とは別に、「1/12ブルーティッシュドッグ」の作例も持参してくれました。それは塗装済完成品であることを活かしてATっぽい汚れなどを表現したもの。特殊な道具も必要ないしやり直しもききますよ、とのこと。
せっかくこれだけの大型商品です。買っていただいた後にも色々な方法で存分に楽しんでほしい、というのがやまとの願いでもあるのです。

野本氏直伝! ブルタコかんたんフィニッシュ

パープルベアーとブルーティッシュドッグ
パープルベアーとブルーティッシュドッグ。
どちらも汚し塗装が決まって、ATのカッコよさが炸裂してます。

――では今回お持ちいただいたもうひとつの作品「ブルーティッシュドッグ」についてお聞きしたいと思います。
いわゆる「簡単フィニッシュ」だということですが、よろしければやり方をおおまかに教えていただけますか?

基本的には墨入れの要領と一緒で、エナメルのフラットブラウンとフラットブラックを混ぜたものを、エナメルの溶剤で薄く溶いて。
普通だったらスミ入れとして、スジ彫りなどに流すんですけど、それを今回の場合だとばばっと大まかに塗っちゃって、あとは拭き取るだけ、と。
で、拭き取るときに残し加減で汚れを表現するわけですね。「ウォッシング」だったり「フィルタリング」と言ったりするものです。


ブルーティッシュドッグ全体
左が商品ノーマル、右が野本さんの作品。
成型色でどうしてもテカってしまうところが落ちつきますね。

この商品は表面が微妙に梨地になってるんで、そこに塗料が薄く残ってくれれば、成型色から少し落ち着いた色になる。汚し塗装として行うのと同時に、成型色っぽい質感を無くすように仕上がるわけです。単純に墨入れで部分的にへこみや筋彫りを強調するのではなくて、全体のトーンを落とすためにやってるわけですね。

――こういった汚しを残すポイントってありますか?


ブルーティッシュドッグ バストアップ
上が野本さん作品、下がノーマル。
マーキングの余白はそのままでした。意外と目立ちません。

へこみの部分、錆び汚れとか、あとは足元みたいに汚れがたまりやすいところ。 エッジの部分て汚れはたまりにくいけど、擦れたりして色が剥がれたり錆びるじゃないですか。 例えば色を変えてそういうところをやっていくとか。
汚れと言っても埃や砂が溜まってるのとか、サビとか、色々あるんで、ところどころ自分で「こういうので汚れてるんじゃないかな」っていうところを考えて残していけばいいんじゃないですかね。

――ピンク系だとこういう茶系が合うんでしょうか?

今回は、茶系で全体にやってますね。茶系と黒。
ただ、黒が濃くなると汚くなっちゃうんで注意が必要ですけど。

――ストロングバックスみたいな成形色だとどうなんでしょう?

どうかなぁ…
やっぱり茶系かな。思い切って赤味を出しちゃうとかね。その方がメリハリが付くので。実際の汚れがどうこうというのもあるけど、見た目で映えるようにというのも大事なところなんで。


ブルーティッシュドッグ脚
上が野本さん作品、下がノーマル。
スミ入れ効果も出て、ディテールがよりはっきりしてきます。

あんまりやっちゃっうと赤っぽくなっちゃうんでそこは上手いところを考えて、ってとこですかね。
バックスなんかだとダクトみたいなところもあるんで、そういうところはスス汚れっぽくするとか、分厚そうな装甲板のところは金属っぽいのでやってみるとか。
メタリックなんかを混ぜてみるのもいいかもしれないですしね。

――スジみたいな汚れは筆で描いているんですか?

いや、全部拭き取りで。やり方はいろいろありますけどね。
こういった一方に流れてるのは拭き取りでやってますね。
面積は大きいので時間はかかるし、綿棒もいっぱい使う(笑)。
ティッシュでばっと拭いちゃう方法もありますけど、あんまり繊維みたいなものがついちゃっても良くないので。
細かく方向決まって流れてる、てのを出すときには綿棒でしょうね。

――そうか、方向もちゃんと決めとかないとね。


ブルーティッシュドッグ足アップ
本文中「この辺」という足周りのアップ。
上が野本さん作品、下がノーマル。
拭き取り量を減らすことで足元の汚れがより強調されてますね。

ある程度はね。
例えばこの辺なんか(足)表面の塗装が剥がれて地が出てるっていう雰囲気を込めつつ、錆汚れも兼ねてみたいな感じで。
これ同じようにウォッシングしてるのを拭き取らないで残してるだけなんですけどね。
あと(モノが)大きいんで、実際にやるときにあんまり間近でみてチマチマやってるよりも、ちょっと離して確認するっていうのが重要でしょうね。
どうしてもやってるうちにこう、近くで見ちゃうんだけど、それでやってるとほんと細かい汚しになっちゃって、わかりにくいものになっちゃうんで。
距離置いて「どうかな」と見直す。その方がメリハリがついていいですよね。1/12なんで。 1/24とかになると結構細かい作業が多くなるんですけど。
実物はないんだけどあると仮定して汚していくときに、全部が全部リベットが錆びてるわけがないし、まぁ強調するものとしてやることもあるんですけど、1/12だとあまり変にそういうのを強調するとオーバーかな、というのはありますよね。
スケール感というのを考えたときに1/12はイメージを置き換えやすいので、身近な、例えば車とか工事現場にある車輌とか、汚れてるトラックなんかを見て「ああ、こんな感じかぁ」っていうのも参考にして、やってみるといいんじゃないかなって。

――実物の車輌の資料とかも役に立ちますよね。

そうですね。
それで本当に街中で見て「意外と汚れてるな」と思うかもしれないし、「いや意外とそうでもないんだな」って見えるかもしれない。
どうしても模型だと全体を均一にこう、汚したりするじゃないですか。
現物って、足元だけ汚れて上の方は大して汚れてないとか、結構そういうのもあるんで。
ただ模型だとそれがものすごい中途半端に見えちゃったりもするんで、その辺は模型的な表現で、というのもありますけど。

――やりすぎには注意、ということですかね。

まぁでも色々やってみないとわかんないんで。
さっき言った拭き取りだと全然やり直しが利くんで、足りないなと思ったらまたやればいいし、やりすぎたと思ったらまた溶剤つけて拭き取ればいいだけの話じゃないですか。それはもうどんどんやってみるのがいいと思いますよ。


ブルーティッシュドッグ足アップ
WEB担当Hが今回の取材に触発されて突然塗り始めたバックスの頭。
もう後戻りはできない…

――これは是非みなさんにやってみていただきたいところですよね。
ま、なかなかね、高価な部類なんでいじりづらいって言う人もいるかもしれませんけど(笑)。
これくらい(のかんたんフィニッシュ)でしたらね。

まぁそれをやるのも楽しみの一つですのでね。

――あと、今後の展開としてどんなものを期待されますか?
発展性とか、飾り方とか。

今回の塗装の話もそうですけど、普通にこう、プラモデルじゃないですけどプラモデルみたいに素材としてどんどん、これをディテールアップしたりとか改造したりもそうですけど素材として使って欲しいなぁと思いますね。
その値段が高いのはともかくとして(笑)。


 

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やまと ボトムズ通信1 (2/4)
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