圧倒的なボリュームが自慢の、われらが1/12ボトムズシリーズ。このシリーズの魅力はなんといってもビッグサイズならではのディテールや、外装・武装交換です。 特に「ストロングバックス」はご存知の通り、パープルベアーのバイザー付。
そしてこのたび、12月25日発売の『月刊ホビージャパン』誌2月号と1月31日創刊の『HJ+』誌に1/12パープルベアー作例を取り上げていただけました!
製作は1/12ボトムズシリーズ原型製作の野本憲一氏直々ということでスタッフ一同大喜び。 大喜びついでに先方の迷惑も顧みず、やまとWEB担当Hが野本氏にインタビューを敢行!!
| 作例の裏話や、個人的に製作された「ブルーティッシュドッグ」の簡単フィニッシュ法、1/12シリーズのこれまでとこれからなど、色々お話を伺ってきました。 |

|
 |
 |
 |
 |
| |
月刊ホビージャパン2月号 |
|
ホビージャパンプラスVol.1 |
| |
発行元 : (株) ホビージャパン |
|
せっかくバイザーがあるのだから、パープルべアも欲しくなる…。ボトムズファンなら誰もが思いつくけれどなかなか出来ないこの改造を野本氏が実際にやって見せてくれたわけです。
今回は工作そのものではなく、その工作・塗装の意図や裏話について聞いてみました。
野本さん曰く「アオリはあまりカッコよく決まらないよ?」
…いえいえ、この作品ならばっちりです(笑)
やまと注:このパートは『月刊ホビージャパン』3月号及び『HJ+(ホビージャパンプラス)』誌に掲載の記事を併せて読んでいただくとより一層お楽しみいただけます。
――ではまず、今回の「パープルベアー」を制作するに当たって、一番苦労した点とかをお聞かせいただけますか?
形状とか、結構変更があったと思うんですが…
一番苦労した点…
「形を出す」という点では胸周りですかね。上の、色が濃い方のブロックは先端の角度が違うだけなんですけど、下の腹ブロックの解釈。設定画では横から見たときに腹前のブロックとその後ろのブロックが完全に分割されてて、(スコープドッグの様に)繋がってないんですよね。
赤線で囲ったところが本文中にある「段差」の部分。
設定画では分かれて見える部分を「段差」として表現しているのですね。
それを再現すると、中のシートが収まらなくなるのと、ノーマル(のスコープドッグ)をベースにハッチの開閉機構を活かそうと思ったのでその辺の処理かな。腹前のブロックが横に広くなる分、段差になるので、そこで「斜めから見ると分かれて見えるけど、真横からはノーマル形状で繋がっている」という風にまとめました。
あと、前から見ると腹前ブロックは胸の幅いっぱいから繋がる(設定画)なんだけれども、そのままつなげちゃうと幅広になっちゃうんで、少し一段細くして、そこから落とすといった処理をしてます。
――その辺のプロポーション面で結構苦労されてるわけですね。
そうですね。
ただ細かいことなんで、(WEB上で)言葉で説明してわかるかなぁ(笑)。
ご参考までにノーマルの脇腹。
ほぼ面イチでラインが繋がっています。
単純に設定の側面だけを参考にして作っちゃうんじゃなくて、ベースに使うパーツの構造との兼ね合いや、様々な角度から見たときのプロポーションをあわせて「このぐらいの形かな」というところでまとめてるんですよ。
――このパープルベアーにしろストロングバックスにしろ、やっぱり胸周りで結構印象が変わりますよね。
そうですね、ハッチの開閉機構の話をすると、ハッチのパネルは幅が広くなるだけなので、そのまま延長で処理してますが、中の開口部はノーマルです。
赤丸で囲った部分に注目。フタがぴったり収まってます。
内部の加工は掲載誌を参照してね(宣伝)
パネルが収まる一段落ちの部分は、腹前ブロックを幅増ししたあとに、凹みを横方向に掘り広げています。
途中写真を見ていただくとわかるんですが、ここの加工は確かに難しいかもね。ハッチを閉じたときにぴったり合うようにすり合わせをしているので…
て、こんな細かい話して大丈夫なのかな?(笑)。
――いや、僕らはすごく嬉しいです(笑)。
あと、ウラ技的なネタがあれば教えて頂きたいんですが…
どこかで見たパーツだと思ったらココでした(笑)。
『HJ+』誌の途中写真でも確認可能です。
じゃあ、作例記事にも載っていない話をひとつ(笑)。
前腕の肘関節部分の丸いパーツなんですが…ここ実はブルーティッシュドッグのバックパック側面の丸モールドを使ってるんです。こういうパーツって綺麗に作るのが難しいんで、使えるものは何でも使うと。さすがに製品からではなくて、チェックの終わったテストショットからとりましたが。(笑)
これも、ただ筋彫りを埋めただけじゃなくて、厚みは薄く削ってるんですよ。1.5〜2ミリくらい削ったかな。途中写真を併せて見てもらうとわかりやすいね。
あとは肩アーマー。形も大きさも意外と微妙なんですよね。図面を書いて一回作ってみて合わせてみたらちっちゃかったんで、周りにプラ板貼り足して一回りおっきくしたら「あぁ、このぐらいだな」って。そういう試行錯誤はしてますね。
――どこのパーツも形状が微妙ですもんねー。
形は単純だけど、その分、少しの角度とか、大きさの違いでイメージが変わっちゃうのでね。まぁでもベースをうまく活かして使ってるって感じですかね。
意外とね、作っちゃうとなんかすごく馴染んでるんで、これが段々ノーマルに見えてくるんですよね。
横がアールのアーマーとか、腕の形とか「なんかこれがノーマルでもいいんじゃないかな」みたいな(笑)。
――ずっと見てると普通に見えてきますよね。
そう、段々普通に見えてきて、このベアにスコープドッグの頭がつけて、「スコープドッグ風ベア」って逆だそれ(笑)。
――「これがメルキア正規軍です」とか(笑)。
ストロングバックス作ってる時もだんだんそうなってきたり。
「バックスがノーマルでいいじゃん」って(笑)。
膝裏のメカ部にもしっかりノーマル版を活用!
ちなみに右下の画像がノーマル版です。
――それでも、バックスもベアもそれぞれに特徴がありますよね。
さすが大河原さんのデザインだよね。特徴がそれぞれに出てる。基本的にベアのデザインではスリットやリブがないんですよね、脚部の3本線とか。軽量風なイメージになってるんで。
ちなみにヒザアーマー裏のメカパーツは活かして作ってるんで。この辺の再現は怠りなく。
これは降着すると見えるかな…
――あ!降着させたところ見たいですね!
…降着させたカットは載ったことが無いんじゃないかな?
――載ってないですね。

これが本邦初公開!パープルベアーの降着ポーズだ!!
――やっぱり格好いいですね。
いやーときめく…
パープルベアーの降着って、劇中ほとんど出てないですしね。
というか劇中に出てないよね。
――このカットもHJさんに載ってないから特ダネですね〜
あくまでもバトリングのために塗られた機体だとすれば、確かに内側にはノーマルの緑が残っていてもおかしくない!
それで、降着ポーズにすると脚の内側は緑のまま残してあるんですよ。
多分本物でも塗らないだろうと。
――なるほど!
他に塗装で特別苦労されたところ等はありますか?色味とか?
苦労と言うか…微妙な色なんで、この色を出すのは難しかったですね。
レシピが残っていないのと、何を何%とかもはっきりはしてないんですけど、メルキア仕様(の成形色に近い紫)からさらに白っぽくしていって少し赤系に…という感じかな?あまりイイカゲンなことも言えないし、このくらいで(笑)。
ちょっとわかりにくいですが、赤丸部分は
下地の緑が見えてます…うーん、リアルだ
で、よく見るとわかるんですけど、グリーンのパーツを使ったところはウェザリング塗装だけじゃなくて、わざと塗装を剥がしてグリーンの下地(成型色)が見えている表現をしてるんです…あまりに細かすぎて、わかりにくいけど(笑)。
もっとはっきりと剥がす様な感じでやった方が良かったかも。
――でもこういった処も参考になりますね。
こういった素材が持ってる色を活かして、剥がして出すといった表現なんかはやりやすいですね、このシリーズでは
――あとの詳細については、『HJ+』誌の方を読んでいただけると。
あと、この商品を初めて改造してみようという人に、注意点というかポイントというか、コツみたいなものを教えていただけますか?
…という訳でバラしてみました。
ドライバーが一本あればここまで可能ですが、パーツの破損やネジの紛失等には注意しましょう。
説明書以上の分解はさすがに メーカー補償対象外なので…(笑)
まずはバラしてみて、中がどうなっているかを知ってもらうことでしょうね。
僕は作った本人だしわかってるから、もう量産品をばきばきバラして、どこをどういじってやろうって頭にあるけど、まず一般のユーザーさんは商品を買われて、構造がどうなってるか見て、そこからになっちゃいますよね。その辺はもっと説明してあげたいところなんですが。
バラしてみると初めてわかる良さというのがあるはずなんで、この商品は。
むしろバラさないとわからない部分にまでいろいろと盛り込まれているので、改造しない人も一度バラしてみてほしいなと。
――実際、買って飾るだけの人も結構多いでしょうからね。
でも野本さんのおっしゃるようなところもこの1/12というスケールの魅力っていうか、「売り」なんですよね。